私の親が認知症になったら?~家族信託で相続対策を~

  2017/5/22
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親が認知症になる前にするべきこと
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働き盛りの私たちは、自分自身のことだけでなく、いつの間にか年を取った親のことも心配になってくる頃です。
ここでは親の財産管理と認知症対策としての「家族信託」をご紹介します。

仕事を辞めて悠々自適の暮らしをしていても、再雇用や自営業などで働き続けていても、同じように訪れる親の老い。
身体の衰えもさることながら、より深刻な心配はやはり頭の衰え。
「なんだかうちの親、物忘れするようになってきた?」と感じたら、認知症と診断されてしまう前に早めの対策をすることが大切です。

介護の費用は親が死ぬまで子供が負担?

親の財産は、何も対策をしなくてもその親が死亡したら、子供である私たちに自動的に相続される「法定相続」という民法の規定があります。
ですから一見、対策の必要性はないと思いがちですが、もしも死亡前に認知症になってしまった場合は、その間の療養費用や入所施設費用など、決して少なくはないコストが継続的にかかります。
それはいつ終わるかわかりません。その親が死亡する時までかかり続けます。

その費用をどこから捻出するのか。
自分の収入の一部を充てるのは、いくら稼ぎが良くても継続的になればやがて大きな負担になり、生活の破綻を招きかねません。
それならば親自身の財産を充てれば良いのですが、認知症であることを金融機関に察知されると、預金の引出しに応じてくれなくなってしまいます。

そうなった場合、親の預金を親自身のために使用するのであっても、厳密には家庭裁判所の指定する「法定後見人」をつけて行うことなります。
しかし、この後見人は必要最小限の財産処分の権限しか持たないため、「かけがえのない自分の親にいい余生を過ごさせてさせてあげたい」と願っても、不必要な財産の処分とされ、認められません。

親の頭がしっかりしているうちに、親自身が「どんな余生を過ごしたいか」「築いた財産をどのように使いたいか」「どのように財産を承継させたいか」をきちんと聞いて決めておくことが必要です。

親が充実した余生を送るための家族信託

決めておく方法はいくつかありますが、中でも「家族信託」はその名の通り、家族間で信じて託すという性質でありながら、契約書を交わすことにより、家族間であっても拘束力を持たせることができるという使い勝手の良い仕組みです。

その内容は、主に3人の登場人物で構成されています。
契約の対象となる財産の所有者が「委託者」と呼ばれ、この場合親が該当します。子供である私たちは、その財産を管理・活用・処分する権限を持つ「受託者」となります。
そしてその財産からの利益を受け取るのが「受益者」で、財産の所有者である親本人、あるいは利益を与えたい親族が該当します。
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これにより、契約締結後に親が認知症となり判断能力を失ったとしても、受託者となった子供が引き続き親の財産を管理・活用・処分することができます。
また、施設への入所費用などが必要であれば、親の預金や、住まなくなった自宅不動産を賃貸した収入、あるいは売却した代金を充てることができます。

わざわざ家族間で契約を結ぶことには、親の財産を「あるのに使えない」ことになるのを防いで「親のためにいつでも使える」ように分別管理しておくことができる、という大きな意義があるのです。

子供が自分だけ、特に独り身の場合は、対策をしなかったことで施設費用が捻出できないために在宅介護を選ばざるを得ず、一人で抱え込んだ挙句に共倒れになってしまうという結果になるおそれがあります。
毎日の忙しさにかまけて備えのタイミングを逃すことのないように、普段から家族間のコミュニケーションを図っておくことが大切です。

行政書士 時田美奈
運営会社 それから株式会社
ヒメノワ
会社名 それから株式会社 設立 2017年4月7日 代表取締役 庄司 桃子 (中小企業診断士) 事業内容 会社経営、マーケティング...
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