おひとりさま 仕事を抱えてバリ島へ行く

  2018/3/24
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こんにちは。株式会社PTAの静原です。


今回からの旅行記はインドネシア、バリ島のウブド。


バリの中心部に位置し、テンパザール空港から車で約1時間のところにある。見わたすかぎりの田園風景で、アジアの絶景スポットとして人気を得ている。


映画『食べて、祈って、恋をして』のロケ地であり、ジュリア・ロバーツ演じる主人公リズが離婚を決意したあと、周囲の反対を押し切り、自分さがしの旅で訪れた場所だ。

なんの因果かウブドに仕事を持ち込む

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メールも電話もすべて切り離せ!だって海外だから!日常からは完全に離れた環境で新しい経験をしてみよう。やはり本や映像からはわからない。行ってみて初めて分かることもたくさんあるはず。「海外旅行を楽しむためのヒントを伝える」ジャンルです。
ここへ訪れる旅人は、大都会の喧騒から逃れ、疲れ果てた体と心を癒すためにやってくるわけだが、私の場合、なんの因果かウブドに仕事を持ち込んでしまった。


ことの発端は旅立ちからさかのぼって1ヶ月前。脚本の企画書を提出し、書けるか書けぬかのちゅうぶらりん状態だった。プロデューサーの電話1本で結論がわかる。しかし、返答予定日をすぎても返事がなく、「今回の企画もボツか。これは飢え死に確定。金持ちの家にとつぎたい」と苦渋の涙で枕を濡らし、これが最後の貧乏旅行。と腹をくくっていたとき、そう、えらいこと返事が遅れて「書ける」という電話をいただいた。旅立ちの3日間前に脚本の仕事が決まった。


じつは映像作品の脚本は初めてのことだったので、たいへん喜ばしいことである。優越の涙で枕を濡らしたが、有頂天もつかのま。バリから帰国した翌日が脚本会議だった。つまり。執筆せねばならん日程がバケーションとバッティング。嬉し苦しいダブルブッキング。3日前にキャンセルをすると旅費の半分以上が水の泡。それに加えてダイビングの予約金やらなにやら、返ってこないお金が非常に多い。貧乏に拍車をかけるプランニングである。どうするのか答えを出さなければならない。


⑴ビンボー作家の分際で旅行をキャンセルして旅費をおじゃんにするのか。

⑵新人作家のくせして大御所ぶって旅へ出かけるのか。


結果、欲望を捨てきれない私は、⑴と⑵を合算させた、『バリで執筆』といういばらの道をセレクトしたが、今思えば、ミスチョイスである。


仕事は旅先へ持っていくべきではない。


旅の日程は企画書を出す前からプロデューサーに知らせておいたものの、やはり肩身はせまかった。しぶしぶパソコンとノートを持って旅立つ。


バリの記憶はおぼろげにかすんでいる。


到着するなり日本にいる友人から大量のメールが届き、「アグン山の火山活動が活発化して、観光客がみんなキャンセルしてるぞ!噴火だ!噴火!避難区域も発令されたぞ!」と忠告を受け、続いてプロデユーサーからの電話が鳴る。


「会議までに帰国できそうですかね」


もはや、なにをしにバリに来たのか、神すら答えられない状況である。地獄だ。観光は予定の80%カット。いたるところでノートパソコンを広げ、自己嫌悪にさいなまれながら仕事。

旅行最終日になっていちばんの目的地、ウブドに到着

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おひとりさま 仕事を抱えてバリ島へ行く
旅行最終日になって、いちばんの目的地、ウブドに到着すると、これまでキリキリしていた心がやわらいでいった。天気によって人の精神状態は変わると聞いたことがあるが、まさしくウブドでは、それが実感できる。


田園風景であれば、東北、信越地方で見ることもできるが、ウブドの田園はひと味違う。日射しが強くないので、空の明るさがまぶしすぎることもないし、暑すぎることもない。

『アルマ美術館』に向かう

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おひとりさま 仕事を抱えてバリ島へ行く
広い庭園と豊富な作品所蔵で有名な『アルマ美術館』に向かうと、花にかこまれた庭でのんびりとバリ絵画の制作に挑んでいる画家を見かけた。ウブドは伝統芸術、芸能がさかんな村で「芸術の村」とも呼ばれている。世界中のアーティストがこの村を目がけてやってきて、ほとんどが長期滞在で住みつき、作品創りに没頭する。作家にとって最高の制作環境がととのっているからだ。


緑あふれる田園風景と生い茂った森。小枝に止まる小鳥、雛鳥のさえずり。


灰色の高層ビルはない。排ガスを大量に放出する車の渋滞も見かけず、見かけたとすれば、観光客を乗せたのろのろとした車だけだ。
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おひとりさま 仕事を抱えてバリ島へ行く
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おひとりさま 仕事を抱えてバリ島へ行く

やっとしてなにもしない旅もいいと気がついた

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おひとりさま 仕事を抱えてバリ島へ行く
ウブドに訪れるまでは、旅は活発に行動するのがいちばんいいと思っていたが、ぼやっとしてなにもしない旅もいいと気がついた。


火山警告、仕事持参、なにからなにまで、あたふたした旅であったが、ウブドの森や空を見ていると、少し休んでまたやろう。という気になれた。人間、せかせかしていると、休むことを忘れてしまうが、やはり人間に休息は必要だ。


無事、脚本会議にも間に合い、数ヶ月後にはドラマは放映された。


ホテルでゴロゴロしている旅もいい。次回、ウブドに訪れるときには仕事どころかノートパソコンも持ってこない。ひたすら、自然をながめるだけの旅にする。

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写真・文:静原 舞香(株式会社PTA所属、脚本家)
運営会社 それから株式会社
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会社名 それから株式会社 設立 2017年4月7日 代表取締役 庄司 桃子 (中小企業診断士) 事業内容 会社経営、マーケティング...
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